Web制作会社でWebディレクターとして働いているaoと申します。
前職では営業として仕事を取ってきて、Webディレクターに業務を依頼する関係性でした。
業界入りたての頃は、「制作をするスタッフ(デザイナーやエンジニア)が優秀なら、Webサイトは凄いものができるんだろう」と思っていましたが、ふたを開ければ実態は違うということを学びました。
ディレクターの力量によってプロジェクトの結果が大きく変わる。
それがなぜなのか。どんな違いがあるのかをご紹介します。
使えないWebディレクターはRPGでいうレベル1のキャラ
あくまで個人的なイメージですが、優秀なデザイナーやエンジニアは高レベルのキャラじゃないと使いこなせない武器や魔法のようなもの。(デザイナー、エンジニアから人間扱いしろと怒られそうですが、、)
強力な武器や魔法は、そもそも使い手が優秀でなければ真価を発揮できません。
それは、武器や魔法は攻撃をするための手段だからです。
どんな敵と戦いに行くのか依頼者と金銭や時期を交渉し、戦う相手に適した武器や魔法を準備することや、戦う際にどのような作戦を練るのかは、武器や魔法の仕事ではなく、使い手の仕事です。
言い換えると、
どんなWebサイトを構築するのかクライアントと予算やスケジュールを交渉し、プロジェクトに適した制作スタッフをアサインすることや、Webサイトの設計などを行うのはデザイナーやエンジニアの仕事ではなく、ディレクターの仕事です。
実際にディレクターが右も左もわからないレベル1だと、クライアントとの信頼関係を築くことができず、ディレクターの意見を聞かずにクライアントがWeb制作の知識がないにもかかわらず不安のあまり仕切りをし始めるようなケースが散見されます。
クライアントの担当者にとってはプロジェクトの成否が社内の評価につながるでしょうし、会社の予算を使って不出来なものを構築するわけにいかないので必死になるのは当たり前です。
この状態になってしまえば、謎の指示や謎のスケジュールがクライアントから降り注いできてもレベル1のディレクターは交渉をすることもできず、制作スタッフに無理強いして疲弊しつつも作業進行をしていくという誰も幸せになれないプロジェクトが完成します。
使えるディレクターがいれば凄いWebサイトはできるのか
それなら、凄腕ディレクターがいれば凄いWebサイトができるかと言われれば、私は出来ないと思います。
戦う相手に見合った適切な戦う手段がなければ、成果を上げることはできません。
ディレクターは作ることが専門ではありません。
制作からキャリアアップした人がディレクターになった場合でも、デザイン、コーディング、バックエンド、インフラ周り全てを一人でこなせる方はほとんどいません。
ディレクターだけでなく制作スタッフもプロジェクトに適した人員をアサインしなければ、良いWebサイトはできません。
使えるディレクター、使えないディレクターの違い
あなたが過去に使えないディレクターと出会ったとき、どんなところが「ダメだなぁ、、」と感じましたか?
私が思う、使えるディレクタと使えないディレクターの違いは、経験値と適正です。
●経験値
・Webサイトで扱う商材への理解
・クライアントのビジネス全体への理解
・Web制作に関する費用的な理解
・Web制作の流れの理解
・制作領域に関する技術面の理解
●適正
・信頼、信用をしてもらえるほどの何かがある(努力や熱量、誠実さなど何でもいい)
・相手が何を求めているか察し、適切なタイミングで求めているものを提供する能力
経験は培うことが可能ですが、適性は向き不向きの話なので向いていない人をディレクターとして配置している会社に問題があります。
また、経験についてもどれか一つが秀でているだけでは意味がありません。
プロジェクトの中心で旗を振りながら、皆を巻き込んで成功へ導くポジションのため、広く、深く理解することが重要です。
使えるディレクターになりたい人はどうする?
もし使えるディレクターになりたいのなら、以下のことをするとよいと思います。
・簡単なWebサイトでもいいから自分一人で制作する
・適性があるのかWeb系の人材エージェントで判断してもらう
・使えるディレクターがいる会社で働く
簡単なWebサイトでもいいから自分一人で制作する
「手を動かすことが仕事ではないから勉強はしない」と言っている人はディレクターに向いていないので辞めたほうがいいです。
構造を理解することがまず一歩目です。
適性があるのかWeb系の人材エージェントで判断してもらう
Web系の人材エージェントはディレクターを嫌というほどたくさん見ています。転職の相談をしつつ、自身がディレクターとして向いているか否か相談に乗ってくれますので、キャリアを考える専門家の率直な意見に耳を傾けてみてください。
使えるディレクターがいる会社で働く
自分がなりたいと思うものがどんなものか知らないよりも、身近に感じられた方がいいに決まっています。もちろん、身近に参考にしたい人がいなくても地道に努力と経験を積み重ねることで成長することはできますが、成長速度を早めたいのであれば環境を変えることが一番です。