Web制作会社でWebディレクターとして働いているaoと申します。
皆さんは、Financial Independence Retire Early。通称「FIRE」という言葉をご存じでしょうか。
生活費の節約、そして収入を給与に依存せず投資などの活用により多様化し、できるだけ若いうちに経済的自由を獲得してフルタイムの仕事をリタイアして、自分が本当にやりたい事に時間を使える人生を送ろう、というライフスタイルが欧米諸国を中心に一大ムーブメントを起こしているようです。
日本では、定年までフルタイムで働き続けることが一般的な考え方ですよね。
勤労のイメージが強い日本人にもかかわらず、老後2000万円問題が話題になるなど、将来のお金に対する不安がある方も多い印象があります。
かくいう私も、29歳で結婚を意識し始めた当時、年収は同年代の中央値(400万円)くらい。貯蓄は同年代の中央値以下(50万円くらい、、、)という状態でしたので、金銭面では若干の不安がありました。
それまで、「貯蓄よりも自己投資」と言っては社会人向けのスクールを受講したり、年収を下げても経験が詰めそうな会社に転職するなど、あまり貯蓄に関心が無かったのですが、結婚を考え始めたころから老後に向けた資産準備を考えるようになり、その中で「FIRE」ムーブメントのことを知りました。
私は、「短期間で莫大な資産を築いて若いうちにリタイアしてやる!」という気概はありません。しかし、できるならば40代のうちにリタイアしたいと願っています。
そんな平凡ないち会社員が、これまで情報収集した内容をもとに準備を開始したことをご紹介した記事になっています。
「FIRE」はどうやって実現できるのか
FIREを達成するためには、その意味の通り経済的に自立ができるようなキャッシュフローを準備しなければいけません。
考えなければいけないことは非常にシンプルで、「支出を最低限にすること」と「収入を増やすこと」そして最後に「残りを戦略的に投資すること」です。
これらの結果、なくなるまでの投資収益だけで生活ができるキャッシュフローが完成すればFIREを達成することができるといわれています。
年間の投資収益はいくらで充分と判断できるのか
どれほどの年間投資収益があれば充分かについては、人によって家族構成も家庭の事情も異なるため、一概には言えません。
ただし、計算を行うための方法があります。
亡くなるまで投資収益のみで生活をするためには年間の生活費の25倍が必要になってくると言われています。
投資収益は、長期運用すると大体が投資元本の4%くらいになってくるそうです。
投資収益である4%の範囲で生活をすることで、投資元本に手を付けず生活をすることができる。これを通称【4%ルール】と呼びます。
例えば私の場合、年間の生活費が夫婦合わせて300万円です。加えて、将来的に子供が欲しいと考えており、親の介護なども入ってくると考えれば+100万円ほどを見込んでいます。
(早期リタイア後にどのような生活を送りたいかによって、金額も変わってくると思いますので、皆さんの理想とする生活にかかる支出を計算し、必要な資産額を算出してみてください。)
私の場合を計算してみると
年間生活費:400万円 × 25 = 10,000万円(1億円)
の資産を形成することでFIREが達成できると考えられます。
1億円と考えると果てしないような気がしますよね。。。
調べる中で、FIRE達成は簡単ではないことを理解します。
ただし、同時に計画的に準備していけば不可能なことではないことも知ることができます。
計画的な準備とは前述の通り、「支出を最低限にすること」と「収入を増やすこと」そして最後に「残りを戦略的に投資すること」を指します。
それぞれについて以下でお話ししていきますね。
支出について考える
当たり前のことですが、収入が多くても支出も多ければ貯蓄や資産運用に回すお金が少なくなります。
とはいえ、支出を抑えるために細々としたところまで節約しようとしても精神的なストレスが大きく、長続きできるとは思えません。
そのため、私の場合は支出の大部分である「住居費・家賃」「交通費」「食費」に加えて「手取り収入の何%を投資にまわすか」という部分だけ決めて、後は自由に過ごすようにしています。
私が現在実行しているポイントは以下の5点です。
・手取り収入の50%は投資にまわすことができるよう出費をコントロール
・ただし家族のイベント(食事や旅行など)は出来る限り頑張る
・出来るだけ自炊
・車を購入しない
・家を新築では購入しない
手取り収入の50%は投資にまわすことができるよう出費をコントロール
手取り収入における投資の割合を決定してしまえば、その他のお金をどのように使うか計算しやすくなります。必要なものから先取りしてしまえば、自由に使えるお金は少ないことに気付きます。。
参考:私の手取り収入と支出内訳。投資の割合について。(21年4月現在)
私の夫婦は完全に別会計になっています。共同の支出に関しては折半していますので、その点をご注意の上、参考としてご覧いただければ幸いです。
●収入
・手取り収入 約410,000円
●支出
・家賃/電気代/水道代/ガス代/ウォーターサーバー代 70,000円※折半後の金額。
・通信費 6,000円
・夫婦で使う食費/雑費 25,000円※折半後の金額。余った金額は夫婦の共同口座へ貯蓄。
・個人的な食費/カフェ代 10,000円
・個人的な雑費 28,000円
・保険料 約5,000円(県民共済、アフラック)※掛け捨て
・投資 248,000円(投資信託:200,000円、IDECO:23,000円、仮想通貨:25,000円)
※60%以上を投資に回しています。
・お小遣い 18,000円
ただし家族のイベント(食事や旅行など)は出来る限り頑張る
私にとっては家族で過ごす時間が重要なので、そこに対する支出は惜しまないようにしています。
我が家ではほぼ週末に1度は外食します。旅行は国内ですが年に数回ほどしております。
旅行をすると、月単位のキャッシュフローは破綻してしまいますが年間を通してバランスが取れるようにしています。
車を購入しない
移動に関しては公共交通機関の利用か、徒歩で移動するようにしています。
また、最近はスーパーの買い物もネットを利用して配送してもらうことが可能ですので車を普段から必要と感じることはほとんどなくなりました。
家族と出かける際はレンタカーを利用していますが、将来的に子供が出来た場合はカーシェアの利用を検討しています。
少し蛇足ですが、リモートワークが増えてから意識的に運動をしなければ一日の運動量が少なすぎるためウォーキングを意識的に取り組み始めたのですが、体重への影響が大きかったため別の記事で改めてご紹介したいと思います。
家を新築では購入しない
現在は賃貸マンションに済んでいますが、もし購入をするとしても、建物の減価償却がほとんど完了した土地代分くらいの中古物件を購入して直しながら生活する。そのうえで、将来的に賃貸で貸し出すことができる、もしくは販売が可能な物件(土地)でなければ購入するメリットがあまりないという考えに至っています。
日本は災害大国で大雨強風が多いだけでなく、30年以内に都市直下型地震や南海トラフ地震が発生するという話もよく耳にします。
さらに、家族構成も数十年の人生の間でどのように変化していくのか読めないにも関わらず資産の大半を費やして住居購入に踏み切るのは得策ではないと判断しています。
収入について考える
支出を抑えても、肝心の投資に回すお金が無ければ経済的自由を達成するほどの投資収益を作ることはできません。
収入を増加させるうえで重要なことは2点です。
・本業の収入を上げる
・本業と異なる収入源を作る(副業をする)
本業の収入を上げる
私は24歳でWeb業界に転職し、28歳まで同じ企業に勤めましたがずっと年収280万円でした。
朝から終電まで働き、基本的に土日も仕事をするような日々を送っていたため、時間にあまり余裕がなく、食事はコンビニや外食、貯蓄もままならずカツカツな状態でアラサーを迎えていました。
さすがに色々なことに焦りを感じて、時間の余裕を作ることと年収を上げることを目的に転職し、28歳のうちに年収400万円になり、31歳を迎える現在は年収600万円になっています。
ここで実体験からお伝えしたいことは、一つの企業に勤め続けることは重要ではない。その時、自分が望む環境を選び働く。望むものが変われば転職したほうがいい。ということです。
日本には一つのことを長く続けることが美徳という考え方があると思います。
もちろん、一つの道を究めている人達を否定するわけではありませんし、尊敬している人たちもいます。
ただし、自分の身に置き換えた時に、望んでもいない環境でやりたくない事をやり続けて、収入も増えない、精神的なストレスも多い、職場の人たちと合わない、そんな環境に長く勤める意味があるのか、ということを考えてみると環境を変えたほうが好転する可能性の方が高いですよね!
私は28歳で転職し、年収280万円から400万円に変わりましたが仕事の内容は大きく変わっていません。むしろ、専門性を高めたため範囲でいえば狭まったと思います。
スキルが同じでも、評価する組織が変われば給与も変わるので、自分を高く評価してくれる組織を見つけて転職してみましょう。
これで、きっと本業の収入はアップするはずです。
私が年収を上げるために取り組んだ事の詳細は別記事でまとめていますので、良ければご覧ください。
本業と異なる収入源を作る(副業をする)
本業で収入を上げるためには給与査定のためのアピール準備や転職活動など、実際に効果が出るまでに数カ月以上の時間を要するはずです。
しかし、副業は思い立ったらすぐに開始することができます。
少額であれば初月から売り上げが発生するはずです。
私は本業の勉強もかねてブログの収益化を目指していますが、副業についてはまた改めてまとめてまいりますので少々お待ちください。
投資について考える
「投資は元本が下がる可能性もあるし、リスクを取りたくない」
「投資って、上がる可能性はあるだろうけれど結局ギャンブルみたいなものじゃないの?」
いろんなご意見の方がいらっしゃると思います。
まず、投資をギャンブルと混在して考えている方もいるかもしれませんが、投機と投資(≒ギャンブル)は異なります。
投資(とうし、英: investment)とは、主に経済において、将来的に資本(生産能力)を増加させるために、現在の資本を投じる活動を指す(現代において、生産能力の増加しない商業活動はこれに含まない)。広義では、自己研鑽や人間関係においても使われる語である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%95%E8%B3%87
投機(とうき)とは、短期的な価格変動の目論見から、利益を得ようとする行為。もともとは禅の仏教用語であり、師弟の心機が投合することを言う。投機を表す英語: Speculationには、思索・推測の意味が含まれている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%95%E6%A9%9F
マネーゲーム(money game)の一種とも言われ、ギャンブルに含まれる場合がある。
学校で投資について学んだことはありましたが、親も含めて身近な親族で投資を行っている人はおらず、「投資ってなんとなく聞いたことはあるけれどちょっと怖いなぁ」と10代の頃は思っていましたが、そんな価値観が変わったきっかけは、とある書籍との出会いでした。
20代になってからお金について学びたいと感じて本屋に行った時、平積みにされていたある本が目に止まりました。
「良い学校、良い企業に入れば安定した生活を送ることができる」という考え方は間違っている。
自分自身のマネーリテラシーを向上させてラットレースから抜け出さなければ、一生経済的自由を掴む事ができないということを本書籍から学びました。
「ラットレース」という言葉はかなりインパクトが強くて、一生懸命働いている人たちに対してひどい言い方だなぁ、、と感じつつも、的を得た言い回しであることで妙な納得感があり10年を過ぎた今でも頭に残っています。
次に学んだことは複利についてです。
複利を理解することは、投資のメリットを把握するだけ出なく「ローンを組む事がダメな理由」を理解するためにも重要な話です。
もし複利について知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
FIRE達成に向けて、私は投資信託に月20万円、年間240万円を投資し年利4%以上を目標に資産運用を開始しました。
投資信託では、ある基準に沿って自動的に取引が行われるインデックスファンドと、トレーダーが運用を行うアクティブファンドという種類がありますが、昨今はインデックスファンドの方が成果が高いという意見が主流となっており、私もインデックスファンドを選択しています。
インデックスファンドで長期間の運用を行った場合、年利はおおよそ5〜7%に落ち着く事が一般的であると言われています。
なぜ年利がプラスになると言えるのか、というと世界経済は常に成長を続けているからです。
もちろん、リーマンショックやコロナショックなど、様々な金融危機によって一時的に株価が大幅に下落することはありますので、短期的にはマイナスになることもありますが、世界の経済は常に成長を続けているため、長期的に運用を行うことでが利益がプラスになるという結果が出ています。
実際に投資している商材の内訳と比率(ポートフォリオ)は米国株式75%と新興国株式25%で投資をしていますが、現在は年利12%超となっています。
以下のキャプチャが現在の評価額と含み損益の状況です。
投資信託のほかに日本株式で気になっている企業の株を少しだけ保有しています。
仮に、年間の生活費300万円を投資収益で賄おうとした場合、現在のペース(年間240万円を投資し年利4%以上)で投資を続けていくと20年以内に達成することができます。
早期リタイア後の生活費を下げる、または収入を上げて投資に回すお金を増加することができればより速いスピードで達成することが可能になります。
何かあったときのために貯金しなくていいの?
会社員の場合は給与という安定的な収入源があるため、個人事業主などに対して何かあったときの貯蓄額は低くてもよいというのが一般的な見方のようです。
私は、生活費:6か月分(120万円)を投資に回さずに預金しています。
保険って必要なの?
意見が分かれるところだと思います。
社会保障が整っている日本では、ある程度の貯蓄があれば一時的な手術や入院は保険が無くても金銭的には何とかなるという話をよく聞きます。
現在の私の場合は貯蓄している額と投資運用額を合わせても1,000万円に満たないため、保険に入らなくても大丈夫!というほどの余裕はないと判断しました。
また、家族がいるためある程度資産運用額が大きくなるまでは保険に入っておこうと考えています。
ただし、保険に入る際に注意した点があります。それは掛け捨て型に入ることです。
保険には掛け捨て型と貯蓄型が存在しますが、貯蓄型は一見保険を掛けつつ資産運用にもなって無駄がないプランのように見えますが、掛け捨て型と比べると掛け金が大きく、その差額を投資信託に使っていたほうがはるかに資産形成ができると考えられます。
まとめ
2020年春。コロナ渦で働き方が大きく変わる中で自分と、そして家族と過ごす時間が増えました。
以前は、毎日を過ごすことでいっぱいで新しいことにチャレンジする気持ちがあまり生まれていなかったと思います。
コロナが終息したとしても、仮に日本が体質が以前のように戻ろうとしたとしても、自分は自分自身と周りの家族と過ごす時間を大事にして、色々な場所に出かけたり色々な食事をすることに時間を使う人生を過ごせるように、お金に向き合い始めました。
まだまだ勉強し始めたばかりですが、今後も色々と考え方をアップデートしながら発信していこうと思います。
皆さんも気が向いたらまた記事を読んでいただけると嬉しいです。